メタセコイアの切り株の腰掛・サクラの切り株の標本の制作
2015年1月27日
平素、いろいろなお仕事をさせていただいていますが、この制作はそうはないのではと思いました。
学校の校舎の建て替えに際し、伐採することとなった巨樹を使用し、
「腰掛けと切り株標本を制作してほしい」とのご依頼をお引き受けしました。
腰掛けとなったのはメタセコイアというスギ科の針葉樹です。
切り倒され、丸太の状態で1年以上乾燥させて置いたものを、工房に持ち込みました。
工房内の機械では輪切りにすることは難しく、チェーンソーで豪快に切断することにしました。
切断し、適した高さになった物を電気カンナで仕上げていきます。
高さが決まった腰掛けは、樹皮をきれいに磨き、座面となる年輪面は根気強く、うづくり加工して仕上げました。
標本はメタセコイアだけでなく、ソメイヨシノも制作しました。
切り株は薄くすると大きく曲がります。
まずは10cm位に切った後、電気カンナで表裏を交互に少しずつ削り、安定した板にしていきます。
持ち運びし易い重さも考え、最終的には4cm位まで薄くしていきました。
ここまで薄くすると、もはや粉々に割れてしまうので、合板で補強。
さらには収縮し、割れていくなか、崩れないよう裏からビスで固定もしました。
塗装し、お納めしたメタセコイアの腰掛けです。幹の直径で70cmくらいはあります。
長年校庭で育ってきた木は惜しまれながら切り倒されましたが、こうして記憶が残っていきます。
切り株標本、左がメタセコイア、右がソメイヨシノです。
生物の授業で使われ続けるのだと思います。
「家具屋さんに変な仕事させちゃったね~」
平素からオーダーメイドは一期一会のお仕事。こちらも貴重な経験をさせていただきました。