にげ/淺井
2015年4月20日
こんにちは。
制作の淺井です。
今回は“にげ”のお話。
木工の世界では、しばしば“にげ”という言葉が使われます。
響きの通り“逃げるの“逃げ”です。
これだけ聞くとあまり良いイメージは持たれないかもしれません。
しかし特に、常に環境で変化していく無垢材を扱う仕事の場合は、この“にげ”がとても重要になってきます。
見た目の綺麗さや、しいては機能においても、この“にげ”によってワンランク上の段階に仕上げることができます。
では“にげ”とは何かについて説明します。
“にげ”とは、加工、組み立ての段階で寸法通りに仕上げるのではなく、あえて大きく木取ったり、
場合によっては小さく加工したりする事を言います。
(といっても1ミリ以下の世界での話ですが。。)
これによって次加工の精度やスピードが上がったり、仕口や接合部が綺麗に納まったり、
出来上がったものの使い勝手が良くなったりします。
いわば職人の隠し味でしょうか。
もちろん完成品は指示通り造り上げなければならないので、それに影響しないよう、
どこににげを持って来るか、それがとても重要になります。
その判断にはやはり熟練した知識と経験が必要です。
こんなことを考えていると、やはり木工は奥深いと実感します。。