メープルのテーブルの制作②/田山
2015年12月1日
こんにちは。
制作の田山です。
前回ブログにメープルの脚の制作を書きましたが、今日はその天板部分の制作をご紹介します。
これが今回使用する材料です。
メープルの板目材になります。
手前に見えるダンボールが、お客様と打ち合わせる中で作った型になります。
まず、この荒木の状態で所定の寸法の天板がとれるのか、
何枚ハギになるのか、欠点がないか等々検討し、木取り線を引いていきます。
そして少し長めの状態で切り、両面を削っていきます。
両面を一皮剥いた段階で再び木取りを考えます。
荒木の状態ではわからなかった色味の違いやカビによる変色などがないか、その他欠点の有無を確認します。
それら欠点が仕上がり寸法になるまでに取り除くことができるのか判断し、
どちらの面をより多く削っていくのか決めていきます。
そうして厚みを削り揃えたら、再び並べ、再度木目や色味をチェックし、表・裏を決めていきます。
その後、表側の木目の中心で線をひき、そこが板の中心になるよう幅をそろえていきます。
ランダムピッチでハギあわせるのではなく、より美しく見えるよう5枚とも同じ幅にします。
この段階で再び検討し直します。
色味、木目をチェックし、向きを入れ替えたりしながら並び順を決めていくのです。
こういったことは手間ではありますが、
より自然に、美しく見えるよう制作する上でとても大切なことだと思います。
このようにしてハギあわせた後、型通りの寸法でサイズ決めしていきます。
その後、反り止め加工を行います。
無垢の木というのは伸縮をします。
その中で反ったり、ねじれたりという現象が生じてしまうのです。
それを抑えるために反り止めを取り付けるのです。
反り止めの穴が楕円形になっていますが、これは木が収縮したときの“逃げ”です。
もし木ネジに対してぴったりの穴で固定してしまうと、
将来的に木が縮もうとしたときに動くことができず、割れが生じてしまうのです。
反り止めの手前に隙間を設けているのも同じ理由です。
無垢材は将来的に縮む傾向にあるので、この隙間が必要なのです。
そうこうして、仕上げ・塗装までしたものがこちらになります。
1つ1つを手作りし、手間を掛け、悩み・考えながら制作しているため、時間はかかってしまいますが、
その分、より良いものになっていると思いますし、
お客様に喜んでいただけたときには何にも変えがたい嬉しい気持ちになります。