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チェストと下足入れ(チーク) - かざる のせる かける しまう -

サイズ   チェスト  H760×W600×D450
      下足入れ  H200×W790×D270

使用木材  チーク

チーク材を使っての、バルコニーで使用するチェストと下足入れのご注文をいただきました。
チーク材は湿気に強く、狂いにくく、腐りにくい、屋外で使用するには最適な材料です。
ただ、チーク材はワシントン条約で輸出入が制限されており、現在ではとても希少で高級な材料となっています。
今回は、チークの無垢フローリング材を使用して制作しました。
フローリング材といっても、継ぎはぎされていない一枚物の板で、一番グレードの高いものになります。
仕入れ値でいうと、ナラなど通常の材料の2~3倍にはなるでしょうか。
そんなチークの無垢フローリング材を、使用量以上仕入れ、そこから色味や木目の近しいものを選りすぐって制作しています。
チェストは3段引き出しで、一番下の段だけサイズが大きくなっています。
下足入れはちょうど3足が入るサイズで制作しています。

一枚一枚接着面に手かんなをかけてからはぎ合わせ作業に入っていきます。
また、チーク材は油分を非常に多く含んでいるため、通常のはぎ合わせだと接着不良を起こしてしまいます。
なので、手かんなでしっかりと平面を出したあとに、アセトンで洗い、油分を落としてからはぎ合わせを行います。
さらに、チーク材は石灰成分を多く含んでいるという特性もあります。
そのため、刃物を痛め、すぐに切れなくしてしまうという厄介さもあるのです。
樹種の特徴や特性に合わせて、加工方法や接着方法が変わるのは木工のおもしろいところであり、難しいところでもあります。

クランプでしっかりと圧締し、接着していきます。
チーク材の場合、少しでも接着が甘いと、接着が切れてしまう恐れがあるため、特に念入りに確認していきます。
また、はぎ面が斜めになっていたりすると、曲がった板となってしまうため、しっかりと直角が出ているか、接着後の板は曲がっていないか等も確認しなければなりません。
板と板の接着面は、羽目板風な見え方になるように、面取りを施していきました。

背板は厚みを半分に割いた材料を用い、センターの板から左右対称の木目となるように目合わせしています。
割きたての写真なので、色が明るく黄色っぽいですが、だんだんと濃い落ちついた色へと変化していきます。
チーク材の特徴として、もともとの色はこのように明るいのですが、数日後には色が濃くなってきているのが感じられ、数週間~数か月後には大分落ち着いた色へと変化してくるというものがあります。
なので、納品してからも、だんだんと色が変化していき、落ち着いた雰囲気のある色合いへと移り変わっていくので、そういう面でも楽しめる、個人的には好きな材です。
加工は大変なのですが…

軽井沢への納品で、近隣にはサルが出るので、簡単に開けられないようにしてもらいたいとのご依頼でした。
ただ、外から鍵のような金物をあまり見せたくないというご要望もありました。
色々と検討した結果、側板の片側にこのような金物を埋め込み、外側に空いた小さな穴から六角レンチで回して固定するという方法をとりました。
引き出しが閉じられている状態だと、側面に小さな穴が空いているだけの見え方となり、一番目立たなく、元のデザインも阻害しないとして、お客様にもご満足いただけました。

お客様にも喜んでいただけ、無事納めることができました。
これから経年変化とともに、さらに良い風合いとなっていくと思うので楽しみです。