煤黒仕上げの文机・飾棚の制作/淺井
2015年2月11日
こんにちは。
制作の淺井です。
今回は少し変わった制作をご紹介します。
製品は文机と壁面取付の棚板。
お客様のご要望は、
「木の風合いが感じられ、且つ、木特有の荒々しさ、力強さのあるもの。そして出来る限り黒色を強く」
というものでした。
木の自然な感じを残しながら、しかし実際に使われる事を考え、手を加えなければならないところは
意図的に木の表情を作っていく。
この“意図的に”がとても難しいのです。
如何に人の手が入ったことによる不自然さを無くせるか。。
綺麗に仕上げていく事とはまた違った技術や知識が必要なんだと、今回改めて実感しました。
材料は工房の在庫の中からお客様が木の表情を気に入られたサクラを使用します。
加工から組み上げまでは、いつもの様に、丁寧に、進めます。
そしてこの後の塗装がすべてを決めます。
ブラック、ブラウン、オーク、、数種類の色を塗り重ねては落とし、を繰り返していきます。
・数回塗装後
また、お客様のご要望である艶のない黒味を出すためにバーナーで燃すという作業を行います。
これにより、色味、手触りともに自然に風化した木肌を表現します。
・少しわかりにくいですが、左がバーナー前。右がバーナー後。ツヤが消え、黒味が強くなりました。
幾度と話し合いながら、試し材で確認しながら、これらの塗装の工程を進めていきます。
・充分マットに黒味を帯びた材を今度はシンナーで擦りながら色を落とし、程良くムラを作っていきます。
木目が透けて見える箇所ができることで、無垢材独特の風合いを感じることができます。
新たな課題に触れ、試行錯誤の結果、お客様にとても満足していただき、私自身もまたひとつ良い勉強となりました。
納品の様子は後日UPします。