アームチェアの制作②/淺井
2017年12月8日
こんにちは。
制作の淺井です。
前回のアームチェア制作の続きです。
実際に座れるサイズの1/1モックアップを制作し、各部材の寸法や角度の調整を行った後、
ようやく本番の材での木取りに入ります。
このアームチェアは曲線を多用しているため、木取りがとても難しいものになります。
曲面に削り上げた時にどのような木目が現われてくるのか、板の状態からできる限り推測していきます。
1本の丸太から全てのパーツを木取っていくことで、全体の見た目の美しさに加え、1脚の椅子に付加価値を与えます。
各部材を荒取りし、木目の確認を行いながら、曲面に削る直前の寸法に形を作り上げていきます。
笠木(背もたれ)は部材を荒取りした後に積層して接着します。
この時、接着して削り込んだときに木目が自然な流れで見えるよう、重ねる順番と位置を決定していきます。
座面は3枚はぎで、ゆったり座れるよう大きめに設計しています。
こちらも1枚板に見えるよう、はぎ方に工夫をしています。
ここまでで各部材の木取りが終わりました。
私たちの工房はこの木取りの工程が家具制作の中で、最重要と位置付けています。
その木の持っているポテンシャルを最大限に引き出し、
同じ形のものでもワンランク上の仕上がりに作り上げる事ができるのは、
木取りにこだわってこそだと考えています。
次に行うのは脚のほぞ加工です。
曲面と傾斜があり、さらに強度を持たせなければならないため、コンマ単位での加工精度が求められます。
こちらも荒加工は機械で行いますが、曲線部、仕上げ調整は手加工になります。
綺麗におさまりました。