アクロージュファニチャー

現在の制作/淺井

2018年3月15日

こんにちは。

制作の淺井です。

 

寒さのピークを終え、少しずつ神楽坂の街に賑わいが感じられるようになってきました。

それと比例するように、当工房も制作の依頼を続けていただいており、

連日フル稼働でスタッフそれぞれが制作にあたっています。

もちろん木工教室も通常通り開講中ですので、制作と講師で頭を切り替えながらになります。

スタッフが互いの制作の流れを理解し、要所要所でサポートし合いながら作業を進めていきます。

これは少人数の家具工房で、隣で作業をしているからできることなのかもしれません。

3人それぞれが各々の制作を同時進行で進めていくことに難しさはありますが、

コミュニケーションを取りながら、作業工程を工夫しながら、着実にこなしていきます。

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さて、ここからは担当の制作についてご紹介します。

今回ご依頼いただいたのは、総長さ3600mm×幅950mmという、当工房でも過去最大級のテーブルです。

エクステンション式になっており、縮めた時には2400mm、中央の天板600mm×2枚が取り外し可能で、

用途に合わせてサイズを変更できます。

もちろんスライド用金物以外は総無垢です。

 

無垢材でこれだけ巨大な、しかもエクステンションテーブルということで、お話をいただいた時点で、

材の手配、制作工程、納品後の不具合等々…お客様と時間をかけて打ち合わせしないといけない課題が山積みでした。

 

一番の問題は納品後の不具合です。

無垢材は置かれる場所の影響をとても受けやすいものです。

気温、湿度、日照、床暖房の有無等。

これらの環境によって材の反り、ねじれ、変色等が発生します。

何十年と使って出来た傷や色の変化は、味になって、深みになって、思い出になります。

しかし、反りやねじれは機能的な不具合を生じさせることもあります。

制作の段階で、それらを予測し、対策を講じますが、その想像の範囲を超える変化が起こらないとも言い切れません。

その時無垢材であれば、他の素材に比べて修理修繕の余地が広いと言えるかもしれません。

 

今回のご依頼はこの機能的な不具合が出てくる要素が大いにありました。

これらの対策法と、納品後の状態について、制作に入る前にお客様と打ち合わせを重ねなければなりませんでした。

我々としてもチャレンジな制作になりますが、最大限努力するとともに、

納品後の修繕が必要になってくる可能性もお伝えし、そして制作に入ります。。

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