アクロージュファニチャー

桜材のデスク③/安岡

2018年6月27日

こんにちは。

安岡です。

 

日曜日まで梅雨らしいお天気でしたが、週が明けて急に夏のようになってしまいました。

この時期に夏バテを起こしてしまうと夏中ずっと引きずることになるので

食生活含め、一番気を付けたい時期です。

 

木工教室でも梅雨の間は仮組の際のかたさが変わり、困惑される方もいます。

接着する時期がいつ頃になりそうかを考えてから調整をしていきます。

 

雨の日は機械もべたついたりと木工作業には向いていない季節ですが、

私は不思議と好きな季節です。

 

さて!

桜のデスク、納品です!

その前に天板の穴を埋めます!

一度オイルを塗って、最終的な色を確認してから作業します。

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ブックマッチなので左右対称に虫穴があいています。

水が通ったりして黒くなってしまっているのでここの色に合いそうな部分を探しました。

穴や節のうめ方はその時々で変わります。

今回のように木をうめたり、接着剤に木やコーヒーの粉を混ぜてかためたり。

平らにしたり、少しへこむようにしたり。

ご依頼主さまの好みや、制作する家具の雰囲気に合わせてかえていきます。

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木をうめる場合は形をそれぞれに合わせていくのですが、

なんとも地味な作業です…。

でも好きなんです。こういう作業。

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形があったら接着剤でかためます。

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表面を平らにし、改めてオイル塗装を施します。

杢も目立ってきてとても表情豊かな板になってまいりました!

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もう一つのポイント。

こちらはそれなりに大きな節なのですが、それがいいんです!

幹として伸びようとしている力強さを周囲の縮みから感じることができます。

実は材を見ていただいた時点では入れない予定でした。

工房主がお客様のお宅に現調に伺った際に、木取り線を書いた状態で

天板を持って行くということで私がその線をかいていたのですが、

「節が入ってるバージョンもかいておきますねー」とほぼ勝手にかきました。

でも、どうしても入れてほしかった…。

個人的な趣味ですが採用され、やる気もテンションも上がります。

塗装された姿にはうっとりです。

 

 

さあ!納品です!

パーツごとに分けられるのですべて運び込んでから作業開始です。

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下部分です。

足元にはA4の本、書類などが入るようになっています。

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全体です。

右袖もA4サイズ、文庫本など、とにかく本がお好きなご依頼主さまなので、

収納はそういったものが入る寸法です。

本体の板も2枚はぎでかなり贅沢に使っております。

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前板は疑似一枚板です。

柾目だとシンプルすぎる…全面板目だとうるさすぎる…

で、落ち着いたのがこの感じです。

下の段に板目を配置し、上部は柾目で通してます。

シンプルですが、実は前板の合わせに一番時間がかかってます。

シンプルだからこそ目立ってくる一本一本のライン。

ここを曖昧にするとすべてがだらっとして見えてしみます。

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左袖上部にはプリンターが収まります。

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下部にはパソコン本体です。この寸法がギリギリでした…。

扉内側は反り止めを兼ねてポケット収納をつけました。

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正面の耳はあくまで自然に。

バリをとって整えた程度です。

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使用スタイルです。

ご自宅でもパソコン作業が多いとのことなので

長くお付き合いいただけることと思います!

 

今回はじめて、ご依頼主さまとの打ち合わせ、作図、調整から制作、

納品にいたるまですべて通しで担当させていただきました。

制作物としてもボリュームがあり、引き出しにいたるまですべて無垢材の

大仕事でした。

細かい部分まで把握しているのが自分だけという中での制作は緊張感があり

集中力も高まります。

納期までかなりお時間をいただいてしまいましたが、とても喜んでいただき

いつも以上の達成感がありました。

それと同時に不具合がでていないか、しっかり機能しているかなどの

その後の不安もいつも以上です…。

 

制作以外のことをするのは小さい工房ならではかと思います。

ご依頼主さまと直接かかわることができるのは本当にうれしいことです。

 

F様!本当にお待たせいたしました!

またいつでも遊びに来てください!

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