ブラックウォールナット一枚板のダイニングテーブルの制作
2014年11月18日
ショールームに展示していた一枚板を気に入ってくださり、それを使用して、ダイニングテーブルを制作しました。
一度平面出しをした木も何年か経つと、場所によって痩せ方が違ってくるため、僅かな凹凸が生じます。
鉋掛けをし、平面を出し直します。
脚は高さが変えられる、いわゆるT字脚を選ばれました。
将来、「脚の一部をひまわり色などにペンキ塗装したい」とのことで、コントラストが際立つよう、
ベージュ色のブナ材で制作することにしました。
写真では分かり難いかと思いますが、木目の通った素性の良い追い柾材を使用しています。
例え将来ペンキで塗られようとも、妥協せずに制作します。
お納めしたブラックウォールナットのダイニングテーブルです。
少々変形した天板ですが、その味わいを気に入ってくださいました。
天板の白太と呼ばれる白い部分と脚の色が合っていますね。
樹皮の色合いは天板と合わせ、引き締めています。
なかなか重厚な天板と脚ですが、何とかスッキリしたのではないでしょうか。
天板の木目です。木目の通った素性の良い木はもちろん美しいですが、
こうした節や枝分かれがあるような材も表情が豊かで、見飽きないですね。
さて、この左の写真、材木店で立て掛けられていた時のものです。
製材してから何年もの間、乾燥させているうちに、日焼けし、汚れていきます。
購入時は、こうした状態から、コンディションを推測し、何万円、何十万円もの買い物をすることになります。
さらに、この材は岐阜で購入しています。
時間と費用をかけ、現地に赴き、数分のチェックで購入を決めなくてはなりません。
緊張と興奮の瞬間です。
右は削って、平面出しした状態の写真です。
腐れやカビもなく、一部の節に欠けはありますが、埋めれば味わいとなる範囲です。
手間暇を掛け仕上がったこの天板、気に入る方に出会うまで、ショールームでじっと待っていました。