チーク無垢材の極薄扉の制作
2014年12月15日
バーズアイメープルのテレビ台チェストをお納めしたお客様から追加の依頼をお引き受けしました。
リフォームに際し、パナソニックの壁面収納を取り付けたそうですが「制作規格外の大扉を作ってほしい」とのこと。
この壁面収納の扉、板厚が15mmととても薄くなっています。
薄いのはコストダウンのためと思いますが、薄い扉は反りやねじれが止め切れないため、
リスクの高まる大扉は対応していないようです。
木を使用していない樹脂扉でも難しい極薄扉を天然木で制作するのは難題です。
「テレビ台チェストは期待以上でびっくりしたので、この扉はお任せします」とのエールを。
無垢のオーダーメイド家具屋としては、何とかこの難題に応えなくてはなりません。
材は最高級ミャンマーチークの本柾目を使用しました。
18mmに厚さに製材されてから何十年も経っている材の中から、狂いのない木目の美しい柾目材を選び出します。
こうしたものは厚い板から製材してはダメです。取り付け後、狂いが生じる可能性が高まります。
もともと使用サイズ近くになっている材の中から、素直な優等生だけを使用します。
構造も最も狂いが生じ難い仕口で挑みました。
考えられる最善を尽くしましたが、こうしたものに絶対はありません。
たかが一枚の扉とは言え、パッととできるものではないのです。
大げさに聞こえると思いますが、内心は木工家としての技術、経験と自然木の多様性との勝負をしています。
納品設置。
「いや~、きれいですね~ 全部の扉こうしたくなっちゃうな~」
いや~、こんな良材たくさんはないです…