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無垢の炬燵(タモ無垢の掘りこたつ) - すわる くつろぐ -

コタツサイズ     L1200×D815×H350
使用木材       タモ(日本)

掘り炬燵の制作をお引き受けしました。
家全体が床暖房となっていて、この掘り炬燵内も暖房が入るそうです。
「夏場はテーブルとして、冬場はコタツ布団を掛けて掘り炬燵として使用したい」
「無垢材ですっきりしたデザインにしてほしい」
とのことでした。

コタツの天板はどことも固定されず、フリーな一枚板です。
通常の家具調こたつなどは、合板を使用しており、さらには布団を使わない時期は下の幕板框から六角頭のネジで固定したりし、動きを抑えます。

しかし今回は、掘り炬燵内にすっぽり仕舞えて「普段は天板を床として使えるようにしたい」とのことでした。
取り出すときの取っ手が必要で、天板の裏側に取っ手を付けるしかありません。
天板の裏面を床面とするために、今回の天板はまったく固定できない完全フリーな板となりました。

そうしたものを無垢で制作するのは、とても難しい課題です。
広葉樹の中でも、最もくるい難い材のひとつであるタモ材を使用します。
タモ材の中でも建具用の最高級材である本柾目材を使用します。
工房内で5年以上立て掛けられていたこうしたタモ材から、反りやねじれがまったく生じていない材を選び出し、天板にしていきます。

最善を尽くして制作したタモの無垢の天板です。
こうした材選びをし尽した上でも、反りは発生します。
こたつの天板裏側は熱にさらされるため、熱せられた面が縮んでいこうとするためです。
そのため、実は天板の中に鉄鋼の反り止めも入れています。

塗装も今回はウレタン塗装を施しました。
熱による伸縮にも耐えられる少し弾性のあるウレタンを使用し、空気の出入りも抑えます。

こうした工夫を全て行わないと、無垢の炬燵の天板は長期の使用に耐えることができません。

裏側も素性の良いタモの柾目材を贅沢に使用しています。
木工に詳しい方にしか伝わらないかもしれませんが、見える側面は板目材を貼り、横からはきれいな柾目板に見えるように一手間掛けています。

そして、炬燵内の熱が少しでも伝わらないよう、合板の中天が仕切りとして使われています。
脚はお客様でも簡単に取り外しができるよう、ネジひとつで脱着できるようになっています。

無事、お納めしたタモの掘り炬燵です。
既存の框の縁にきれいに入りました。

残念ながら、床に仕舞った時の写真を撮りそびれてしまいました。
天板にもなって、床にもなって、私自身も見たことがない仕様です。

事業経営者であるご依頼主様。
「こんな仕事をする人がいるんだね~」
「こんなに手間暇かけて商売としてなりたつの?」

「商売としてはなかなか難しいです…」

「何かあったらまたお願いしますね」

「よろしくお願いします!」

やりがいある仕事をしながらも、生業にしなくてはならない…
しっかり考えなくてはならない命題です。がんばります!