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おがめ仕上げ ダイニングセット(ブラックウォールナット) - すわる くつろぐ -

サイズ
 ダイニングテーブル H720×W1500×D820
 椅子        H780×W460×D450

使用木材       ブラックウォールナット

改装されたご自宅にダイニングセットとリビングセットを
合わせてご注文いただきました。
当工房ショールームにあった、
製材したままのブラックウォールナットの板を使用したベンチを気に入られて、
すべて同じ仕様で、ということでした。
ここではダイニングセットをご紹介します。

普段の仕事では製材して運ばれてきた板の状態から、
反りをとり、厚みを決め、幅を決め...と制作が進んでいきます。
今回はそのままを使用するということで、
木取り線を書くところから普段とは違います。
チョークは木取り線を書くのに欠かせないものですが、
消えにくいという特性が今回の場合はマイナスになってしまいます。
ある程度形が決まった時点でシンナーで板の汚れをとり、
洗っていくのですが、チョークはそれでも消えない...
ということで今回は柔らかく傷も残らない6Bの鉛筆と
クラフトテープが大活躍です。
この気遣いが後の仕事をスムーズにします。
このまま仕上がると思うと直定規を使うにも緊張します。

続いて天板をブックマッチにはぎ合わせますが、こちらも一工夫必要です。
アクロージュファ二チャーは天板のはぎ合わせのこだわりがとても強いです。
そこに加えて今回は反りが取れない...
焼き盤でもあればいいのですがないので裏面に切れ込みを入れて
できる限り矯正できるようにしました。
ブックマッチではぐということは反りがある部分は基本的には
お互いが真逆に反っているということです。
目違いが2倍になってしまうんですね。
幸い、素性のいい板を用意できたのですが、
それでも多少は修正が必要です。
切れ込みを入れて水を含ませてクランプでしめて一晩おいて...など、
地道な作業の繰り返しです。
努力の甲斐あって、なんとかはぎ合わせることができました。

こちらは椅子の制作です。
座面と背もたれを加工していきます。
もともとあったベンチに使用した材と同じものを使用しました。
この板はブラックウォールナットの厚板を
再度、製材し直した際に出た、余りの板なんです。
一度製材されて、ある程度乾燥した板を挽き直すと
応力の問題で板は大きく反ります。
この椅子はそれをそのまま使用しています。
この板あってこその今回の制作ですね。
丸太から製材されたものと違って、板厚もバラバラです。
座面になる部分、背もたれになる部分、
しっかり確認をしたうえでカットしていきます。

形としてはとてもシンプルですね。
脚部は既製のものを使用しています。
高さはお客様に合わせてカットしました。
塗装は凸凹としたテクスチャーを作り、塗装し直しました。
ダイニングテーブルの脚部も同じ仕上がりにしています。
実は大変、時間のかかる作業でした...

座面は後部のみ、背もたれの曲線に合わせて形を作っています。
ベンチに合わせて、こちらにもクッションをつけました。
座面より一回り小さいサイズでクッション自体が曲面に仕上がっています。
アクロージュファニチャーとしては大きな背もたれはめずらしいですが
かわいらしい印象に仕上がりました。

仕上げはウレタンオイル仕上げです。
製材されたままの板、といっても荒々しく仕上げるわけではありません。
使い勝手は通常の仕様と同じでなければなりません。
むしろ手間がかかります。
塗装を重ねてもざらつきがなかなか落ち着かない...
シミが塗装をしたことで目立ってきた...
サンドペーパーはあてすぎるとせっかくのおがめの表情が消えてしまう...
塗装を重ねるたびに試行錯誤がありました。

後ろに見えるのはご依頼主のこだわり貫いた空間の一部です。
納品のために伺ったのですが、半分、内覧会の気分でした...
あまりない仕上げでしたので大変楽しんで作らせていただきました。