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アームチェア・簡易ベッド・ローテーブル 3点セット - すわる くつろぐ -

サイズ  アームチェア H670(SH350)×W610×D515
     ベッド    H570(SH350)×W1660×D850
     ローテーブル H500×W1200×D600  
使用木材 アメリカンチェリー無垢材

アームチェア、お昼寝用ベッド、ローテーブルの3点セットです。
こちらはご依頼主さまの90歳のお母さまへ、ということで承りました。

3点すべてを1本のアメリカンチェリー材からとりました。
一番柾目のきれいな部分をローテーブルの天板に、
長尺で目の通った部分をベッドの長手に、
四方柾でとれる部分をアームチェアに。
すべての板を確認しながらそれぞれの適材箇所を探します。

こちらはテーブル天板です。
柾目の最もきれいな部分です。
チェリー材は本柾の部分だと放射組織という木目に対して
直行方向に流れる組織が目立ちます。
その名の通り、木の芯から放射状に樹皮に向かって伸びている組織です。
これが出ることは本柾であることの証拠でもありますが、
見た目が少しちらつくこともあり、好みがわかれます。
今回は放射組織を避けた柾目の部分を使用しました。
シンプルな柾目ですが、杢が入っていて表情もあります。

ベッドはクッションのまわりを格子が囲んでいます。
こちらのベッドは組み立て式で、おおまかなパーツに分けることが可能です。
しかし、起き上がる際に力がかかることが予想されますので格子そのものと
その接合部にも強度が必要です。
格子は一本一本をフェスツールのドミノを用いて接合することで
強度と生産性を両立します。
とはいえ、この数を加工するにはそれなりの根気が必要ですね…。

格子はひとつひとつ、指物として加工していくのが理想かもしれませんが、
本数があることで強度的にも今回の加工方法で十分耐えると考えました。
制作時間、予算を考慮して加工方法を決めていきます。

アームチェアを一脚、ローテーブルに合わせて制作しました。
使用されるのは90歳の女性です。
座高は一般的に考えるとかなり低めの350mmです。
座面と背もたれには厚めのウレタンを入れた布座を用意するので
それらの沈みこみなども考えつつ、一から設計していきます。
まったく新しい形を作っていく際は、ミニチュアを制作し、
原寸図を書くことで理解を深めていきます。

このアームチェアはすべてほぞ加工を施しました。
角度がついているものは緊張感がありますね。
安定性を上げるために摺り足にしていることで
まったく逃げがない形になっています。
角度、内寸、ほぞ位置のすべてを原寸図通りに加工しなければ成り立ちませんが、
事前にミニチュアと原寸図で詰めていたことで制作はスムーズに進みました。
個人的にもとても楽しめた制作でした。

完成した3点セットです。
布は朱のに近い赤色です。
揃って納品することが出来ました。
お母さまにも大変喜んでいただき、ベッドからしっかり起き上がれることも
確認できたので一安心です。
チェリー材は色身が本当に暖かく、優しいですね。
丸太を揃えたことで色調も合い、まとまりのあるインテリアとして
ご提案できたのではないかと思っています。