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ブラックウォールナットのロッキングチェアー - すわる くつろぐ -

サイズ  W660×D830×H1060
使用材  ブラックウォールナット(アメリカ)

ロッキングチェアーの制作の依頼をお受けしました。
家具の制作の中で、最も難しいもののひとつだと思います。
前後への揺れ具合、立ち座りのし易さ、座ったときと座っていないときの椅子の重心、全体の強度や大きさ、バランス。
どれかひとつ欠けても、良いロッキングチェアーとは言えません。

お客様の体形を計り、座の高さや大きさ、肘掛や背もたれの高さなどを決めていきます。
それを基に図面・ミニチュアを制作し、お客様との打ち合わせを重ねます。
上記の重要点がクリアになると原寸図を描きます。

いよいよ原寸図に合わせ、制作していきます。
ロッキングチェアーは通常の家具と違い加工基準が明確でないことも難しいところです。
今回は曲線となる橇(そり)の下辺を残して加工していき、基準にしました。

丸脚の椅子ですが、ほぞ加工は角棒状態で進めます。
ほぞがぶつかり合うところは、特に強度の維持が難しい箇所です。
絶えず揺れるロッキングチェアーは、通常の椅子とは違ったレベルで強度が求められるため、ほぞを少しずらして接合します。

ほぞ加工を終えた材を旋盤で丸棒状にしていきます。
橇や肘掛の加工も行い、ついにパーツが完成します。

何工程にも分け、接着します。
座を乗せ、緊張の瞬間。
予定通りの位置で椅子が止まるか、厳密なことはこのときにならないと分かりません。
無事に予定通りの位置で止まりました。

橇の下辺の曲線は、一般的なロッキングチェアーよりも急にしています。
実はその方が、僅かな力でゆったり大きくと揺れるんですよ。

塗装し、完成!
座は革とサテン(麻)の2種類を用意しました。
こちらは冬用の黒の本革仕様です。
6角頭のネジで簡単に脱着できるようにしています。

こちらが夏用のサテン生地の座になります。

納品時、お客さまに座っていただき最後の確認。
体形に合わせて制作していますので、完全に満足していただけるか緊張の一瞬でもあります。
結果、とても感謝してもらい、こちらは職人冥利です。