広葉樹の無垢材を仕入れに飛騨高山へ/岸邦明
2013年8月9日
先日、長野市に行った足で、飛騨高山に材木を見に行きました。
アメリカなどから輸入された丸太がゴロゴロしています。
大きな機械が大きな音を立てながら、いくつも動いています。
皆さんが見たら、びっくりするかも知れません。
私自身の本来の性格としては、出来れば一箇所の材木屋と深くお付き合いしていきたいのですが、
現在、優良な木材は世界的に枯渇していて、目的に適した材と出会うためには、いくつもの材木・銘木屋に
お願いしないと見つからないのが現実です。
平素、懇意にしていただいている皆さまには申し訳なく思っています。
広い敷地内には一面に桟積みした材木が並べられています。
製材するまでに最低1年、製材し、桟積みしてまた最低1年。
通常はそこから人工乾燥炉に入れ、立木のときに100%以上あった、木の含水率を8%~10%に下げ、
家具材にします。
天然だけで乾燥するには10年以上を要し、室内の乾燥した場所に置き続けなくてはなりません。
伝統工芸品や指物などの工芸品は、そうした手間暇を掛けた天然乾燥材を使用しています。
天然乾燥材の方が木の美しい艶が残り、加工もし易いですが、伸縮・反りなどの木の性質も強く残ります。
より素性の良い木を選び、高い技術で作り上げることが必要です。
現代の家具は大きい物が多く、また住まいも空調の入った気密性の高い空間となっているため、
人工乾燥材を使用する必要があります。
人工乾燥が終わった材は室内に移され、出荷を待ちます。
今回一番の上物として目に入ったのが、右上の一枚板です。
奥多摩に立っていた山桜です。
長さ260cm・幅89cmあり、節や割れもありません。
大径木の通直な山桜はとても稀で、日本全国で年に1本切られるか否かの銘木です。
1枚100万円以上します。
上の写真は今見積り依頼を受けているお客さまに、ご提案することにした一枚板です。
日本の銘木の王道、けやきの一枚板です。左のけやきの幅は110cmとテーブルとしては大き過ぎるくらいです。
けやきは高価な材ですが、国内にまだ大径木がそれなりに立っているので、手に入れることは可能です。
気に入っていただければと思いますが。
皆さまからも、ご依頼いただければ、適材に出会えるまで探し続けますよ!
岸邦明