アクロージュファニチャー

「鑿・鉋 特別講習」実施のご報告

2021年5月28日

 

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既に去年のこととなりますが、「鑿と鉋の特別講習」を実施いたしました。

1日目が鑿

2日目が鉋

実は大工道具は使える状態になって販売されていません。

使える状態の物を手にしても、1時間も使えば、砥ぎだけでなく調整も必要になってきます。

そのため、手道具を持つためには、

仕込み・調整・研ぎの3点全てができるようになる必要があります。

手道具が正しく使えるようになる道のりは長く、

プロの中でも正しいレベルの手道具を使っている方は1割もいません。

通常の教室内で、その奥深い世界をお伝えしていくことは非常に難しく、

このような特別講習を開講する運びとなりました。

昨年夏に2回実施。のべ23名が講習を受けてくださりました。

今日は、その講習の感想を抜粋し掲載します。

抜粋とは言え、長いです。

改善点なども伺っているのですが、ここでは感想だけを記載させていただきます。

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[生徒A]

特別講習、どうもありがとうございました。

2日トータルで講習時間が3時間以上もオーバーするほど、

すべてが興味深く、面白く、役に立つ、内容の濃い講習だったと思います。

 

鉋と鑿の仕込みについての情報と技術の伝達にとどまらず、

正しく仕込んで、長く愛用するための情報の豊富さに圧倒される面白さだったと思います。

和工具を取り巻く環境、製造の工程とその進化や、歴史的展開と現状、

地金と鋼の話、刃物の鍛冶や裏金の鍛冶・台つくりの製作裏話、

指物師や大工・家具作家などの使い方の違いや、大切にしている共通点

岸さんご自身の技術習得過程で獲得してきたこと、守っている重要ポイント… 等々

ネットで様々な情報を入手できる世の中ですが

これだけの質と量を、岸さんの熱量で語っていただいて獲得できる、という機会は

ほかでは絶対にありえないことだと感じました。

 

鉋も鑿も、初めての仕込みはとても難しく、改めて「簡単に習得できるものではない」

ということを体感させてもらいましたが

最後に自分の仕込んだ鉋で木幅いっぱいの薄い鉋くずが削り取れたときは

年甲斐もなく、かなり感激しました。

岸さんをはじめ、木工の専門家であるアクロージュファニチャーの講師陣のみなさんたちに

半歩くらいは近づけたかな?と嬉しくなりました。

 

[生徒B]

講習ありがとうございました。

また、懇親会での道具のお話、楽しく聞かせていただきました。

講習を受講して、道具は使える様にするまで、

すごく手間をかけている事を知ることができ非常に良かったと思います。

また、なんとか講習を終わらせる事ができ、道具に対し愛着がわきました

良かった点は、2日で集中して講義を受ける事ができたところです

この様な講習があれば、また受講したいと思います。

 

[生徒C]

この両日の講習、私自身は何より興味を持っていたことなので、

まず、この講習が開催されたこと自体に感謝です。

とても楽しい充実した時間を過ごさせていただきました。有難うございました。

技術的なことはさておいて、強く印象に残っているのは冒頭、岸先生が

「私の技術は本などを読んで身に付けたものではなく、

この人は信頼できるという人達から学んだ口伝である」と伝えられたことです。

信頼できる自分自身を持たない者に、ほかの誰かを信頼する、という事はできません。

つかみはOKで、この人すごいな、と思ってしまいました。

 

内容に関しては、教わったことをどう消化するかは受け取った側の責任だと

思っていますので、自分なりに継続していけたらと思っており、

とりあえず、忘れないうちにと、多分15年以上前に入手してそのままになっていた

6分の平のみの仕込みをやってみました。

仕込みの方はまあ良かったのですが、刃付けはやはり難しく平面を出せるようになるには、

時間がかかりそうです。

ただ、全部外して分かったのですが、こみ、入れるほぞの部分もきれいに四角、マチも水平、

すべてがきっちりしていて、感想、「まじめだ~。美しいな~」でした。

講習で扱ったものとの差は一目瞭然、こうやって少しずつ勉強していくのでしょうね。

 

[生徒D]

・本日教室に参加させていただきましたが、

鑿の道具としての構成、特徴、仕込み砥ぎ等を教えていただいた事により、

力のいれ加減や面を出す事等が分かりやすくなり、より木工に興味が出てきました。

 

[生徒E]

鑿、鉋講習ありがとうございました。

良かった点は圧倒的に内容です。

鉋・鑿は習う場所がなかったのですごく勉強になりました。
[生徒F]

道具講習の感想ですが、参加してとても良かったです。

道具の仕込み、砥ぎ方などには興味があったところに

講習のお知らせがきましたので、迷わず参加を決めました。

2日間、午前午後とボリュームは大きかったですが、

2日続けて行ったところが、自分にとっては良かったと思います。

初日はなんとか砥ぐということをやってみたものの、なかなかうまくいかず、

どの点が良くないのかもあまり理解できていませんでしたが、

2日続けて行うことで、少しずつポイントというかコツがわかってきたような気がします。

また、岸さんの道具についてのお話はとても興味深く楽しく伺うことができました。

 

[生徒G]

先日の講習はとても面白く受講させていただきました。

限られた時間の中ではありますが、鉋と鑿の仕込みや刃砥ぎを一通り体験し、

こんなに大変な作業なのかと驚きました。

また、単に仕込みだけでなく、道具にまつわる歴史や作成者などもご紹介いただき、

木工に関わる道具に興味がわきました。

 

[生徒H]

良かった点

・一つ一つの工程を丁寧に教えていただき分かりやすかったです。

・砥ぐのを何度も実演してくださるのは良かったです。

・砥ぎ方を見せていただいている時、真上からの図がモニターで見れたのは、

手の動かし方がわかってとても良かったです。

・仕上砥ぎの結果を触らせてもらったのは、出来上がりの手本として、

自分のものとの違いを具体的に感じられて良かったです。

・道具に関する話はどれも非常に興味深かったです。

こういうのを残していくにはどういう方法があるのかなど、すごく考えさせられました。
[生徒I]

各手順での注意点をまとめた紙面があると、より理解が早まると思いました。

2日間、とても充実した内容だったと思います。

多少の待ち時間は、仕方ないと思います。

手作業で、どうやって正確な刃研ぎをするのかよく理解できました。

かなり指の力が必要なことも体感してわかりました。

仕込み、繊細な調整はずっと昔からされていた事なのでしょうけど、

全く新しい知識を得られた感じがします。

モニター設置は手元の動きがよく見えました。

全体通して、貴重なお話ありがとうございました。
[生徒J]

・良かった点

全般的に参加して良かった。

道具の知識も含め、知らない事だらけだったので、全て勉強になった

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こうした感想を皆様からいただきました。
改善してほしい点は共通項が多く、
① モニター機が見づらい時があった
 ⇒大きなモニター機に変更しました
② 教室が少々狭かった
 ⇒コロナ渦の特別な形によるところが大きかったのですが、
  当面コロナの影響は続くと捉え、教室空間の拡大を実施しました。
③ 工具を人数分用意してほしい(1回目での感想)
 ⇒2回目では人数分の工具を用意しました。
④ 動画をアップし、見直せるようにしてほしい。
 ⇒教室スペースも広くなり、撮影者が動けるようになりましたので、
  今後の講習では動画も撮っていきます。
  最近、社内的に勉強会を始めました。
  撮影もし始め、映像勉強中です。
  皆さんにも見てもらえるようYouTubeにアップしていきます。
⑤ 継続して練習したい
 ⇒教室空間を拡大し、4名が同時に砥げるようにしました。
  通常教室内でも一定時間、研ぎなどにチャレンジしていただければと思います。
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「特別講習」を行える日程が非常に限られてきておりますが、

出来る限り継続し、特別講習を開催していきます。

休みがちで、振替が溜まってしまっている方は、

こうした特別講習にもご参加いただければと思います。

 

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