オーダーメイド　ポスタースタンド【桜/サクラ、ブラックウォールナット】無垢

工房近くにあるコンサートホールのご担当者様から、演奏会のポスターを掲示するスタンド2台のご依頼をいただきました。

備品の老朽化に伴い、特にホールの名刺代わりとも言えるポスタースタンドは価値のあるモノに作り直したいというお考えでした。
木のぬくもりを感じるコンサートホールということで、そこに見合うようなポスタースタンドを探される中、当工房に辿り着いたとのこと。

ご希望としては、ポスターの入れ替えが容易で、移動ができ、高さも変えられる、でした。

ポスターを際立たせ安定感を出すために、額縁は柔らかな赤味が特徴のサクラ材、脚から土台にかけては重厚感のある濃色のブラックウォールナットをご提案しました。

顔となる額縁は、2台分計8パーツを同じ丸太から切り出します。
ブックマッチ材を活かし、最も綺麗になる組み合わせを探します。

厚めのMDFを背板にし、一辺に丁番を取付け、額縁が扉のように開閉できる機構になっています。
また、MDFと脚は額縁を開けた前面からネジ固定されているので、ネジ穴の位置を変えることで、上下に高さを変えることが出来ます。

出来る限りシンプルな構造にすることで、誰でも扱えるよう工夫しています。

脚は2本一組とし、スリット状の空間を設けることで、総無垢の野暮ったさを軽減させています。
土台は安定感を出すため、ある程度の重量が必要になります。
厚材を単純な四角にすると塊感が増し、野暮ったさと主張が強くなってしまいます。
そこでひと手間を加え台形に成形することで、全体的に軽やかさと動きの感じられるデザインにしました。

移動しやすいように底面にホイールを取り付ける必要がありますが、意匠性を保つため、ホイールを隠すように掘り込み加工をしています。

各所にひと手間の工夫を施すことで、ワンランク上の仕上がりになりました。
共に暖色で相性の良い2樹種でコントラストを付けたことで、全体的に引き締まった印象になりました。

後日、ご担当者様から「上層部からの評判がとてもよく、嬉しい限りです」とのメールをいただきました。
制作物に、そして弊社に依頼したことに満足していただけたようで、こちらも嬉しい限りです。

［制作担当 淺井］