アクロージュファニチャー

東京の家具の修理・リメイク

リメイク 収納タンス【ナラ】無垢材 合板

【内容】既存引出しを使った収納タンスへのリメイク
【樹種】ナラ(無垢材) 合板
【サイズ】W680×D390×H1145

教室に通われている生徒さまからの収納タンスのリメイクのご依頼をいただきました。
もとは大きな収納であったようですが、一部の引出しを用いてサイズダウンする形でのリメイクとなりました。引出しに使われている材の種類が様々であり、もともとユニークな家具であったようです。上手くこちらをまとめあげるのが腕の見せ所ですね。

通常での箱物の制作では、始めに大きな外の箱を作り、そこに合わせるかたちで内部に収まる引出しを作ります。しかし今回のご依頼では既存の引出しに合わせて外の箱を作るという、通常とは逆の作り方をしていきました。

寸法がずれてしまうと引出しが収まらない可能性があるため、引出しのサイズをひとつひとつ、しっかり計りながら全体のサイズを決めていきます。こういう点に新たに作るのものとは違ったリメイクの難しさがあります。

もともとはアウトセットの作りですが、引出しの前板が内に入るようにインセットの作りに替えています。

天板はナラの無垢材を用いて、柾目材を3枚はぎ合わせました。ナラ材特有の虎斑杢が出ている表情のある天板となりました。

また構造体となる側板と棚板は合板を用いて構成をしていますが、側板の側面にはナラ材の2ミリ程度の単板を貼り合わせました。こうすることによって、一見すると無垢材で構成しているかのような印象を与えることが出来ます。化粧合板にはない深みが出たのではないでしょうか。

引出しのつまみは既存のつまみを活用しました。出っ張りが気になるとのことでしたので
つまみの先をそれぞれ削り調整しました。もともとついていたものを活かしただけあり、違和感無く収まりました。

生まれ変わったタンスを無事に納品させていただきました。
お部屋の雰囲気にもマッチし、上手くまとめることができたのではないでしょうか。

用途を満たすだけであれば新しいものを購入してしまった方が早いですが、このように形を変えても愛着を持って長く使っていただけることは家具を作る身としても、うれしいことです。また新たな思い出を刻んでくれることを願います。

[制作担当 武田]

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