収納・飾り棚
オーダーメイド家具 花台【桑/クワ】無垢
【樹種】クワ(無垢材)、ウエンジ(無垢材)
【サイズ】本体:W450×D450×H550
これまで何度かご注文をいただいたお客様から、新たに花台のご依頼をいただきました。
大まかなサイズだけ打ち合わせをし、あとはこちらにお任せ。
ご信頼いただいているのはとてもありがたいことです。
お部屋の雰囲気や過去の依頼内容から、お客様の好みを分析します。
黄味掛かった心材と白い辺材のコントラストが面白い、クワの板をご提案させていただきました。
木の特徴を活かすため、耳付きの状態のままコの字に組みます。
更に表側の鋸目を残し、裏面だけ平面出しをします。
様々な表情を持たせることで、360°どの角度からも楽しむことができ、全く違った印象を与えます。
強度を持たせるため、支柱は2枚ホゾで天地板に差し込みます。
繊細な塩梅が求められるため、最終的には手加工での仕上げが必要になります。
板との色の相性と強度を考慮して、支柱にはウエンジを使用しています。
この支柱は本来あくまでも付属であり補助的な役割ですが、今回のように特徴的な木目の無垢材を持ってくることで、意匠のひとつとして見られるようになります。
これも無垢材の持つポテンシャルだと言えます。
鋸目を残した表面と平面を出した裏面で全く表情が異なります。
クワはこの差が特に大きい樹種のひとつです。
無垢材には、無垢材でしか実現できない質感があり、“見る”だけでなく“触れて楽しむ“こともできます。
更には樹種によって異なる“香り”も他の材料には無い特徴です。
板同士は留め(45°)加工で接合しています。
位置によって幅のバラバラな板を綺麗なコの字に繋ぎ、天板と地板の位置を合わせるために、切断の角度や、耳の角度を微調整します。
覗き込んでも見応えがあります。
裏面まで楽しめるのも無垢材の特徴です。
今回はネジなどを一切使わず組み上げています。
精度の高い加工技術が伴わなければ強度的に持たないデザインになっています。
観る向きによっては、木に咲く花のような飾りつけを楽しむことができるのではないでしょうか。
シンプルなデザインの中に、細かな工夫と遊び心を加えた花台が完成しました。
お任せいただいたからこそ、実現できた一品です。
想像もしていなかった仕上がりに、驚きと喜びのお声をいただきました。
ご信頼の下、お任せいただいたお気持ちに応えることができ、嬉しい限りです。
[制作担当 淺井]