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オーダーメイド家具  ロッキングチェアー【ブラックウォールナット】フルオーダー 無垢

【樹種】ブラックウォールナット(無垢材)
【素材】座面:牛革
【サイズ】W920×D700×H850

フルオーダーロッキングチェアーのご依頼をいただきました。
ご年配の親御さんへ贈るプレゼントとのことです。
贈った方も贈られた方も喜んでいただけるよう、誠心誠意制作させていただきます。

今回はフルオーダーでの制作です。
事前にサンプルのロッキングチェアーに座っていただき、そこからお身体に合うサイズを確認していきます。
単純にサイズを縮小、拡大する訳ではなく、座面、肘掛け、笠木の位置をそれぞれ調整します。
あらゆるところに角度が付いているので、辻褄を合わせるために、全体の微調整が必要になります。

一から実寸で図面を起こし、重心の位置やバランスを確認。
ホゾの位置や角度を割り出します。

※同物件の低座椅子、キッチンカウンター格子の詳細は以下ご参照ください。
ウォールナット低座椅子
ナラのキッチンカウンター格子

材はご依頼主様のご希望でブラックウォールナット。
しなりもあり、ロッキングチェアーとして適材です。
木目を読みながら、最善の木取り位置を見極めていきます。

しっかりとした強度を出すため、接合部のホゾ加工は高次元の精度が求められます。
最終的に曲面に削り出した時の見え方を考慮しながら、角棒の状態でほぞ加工を行います。
脚、幕板、肘掛、全てのほぞの形状が異なるため、図面と照らし合わせながら、慎重に墨付けをしていきます。
角度のついた二段ホゾを、目視と感覚で作り上げていきます。

ホゾ穴を一旦穴埋めし、旋盤で丸棒にしていきます。
直線ではなく曲面のある丸棒であり、同じパーツは同じ寸法に仕上げなければいけないので、こちらも慎重に進めます。
スポークスは座った時にしなることで、背中の当たりを柔らかくします。
これを実現するために、旋盤加工ができるギリギリの細さに削る必要があります。
細くなってくると遠心力や刃の当たりで加工中に材がぶれ、加減を間違えると折れてしまいます。
全て共材で木取っているため、限られた材からミスなく進めて行く必要があります。

木部全パーツの加工が終わりました。
曲面の削り込みが必要な肘掛と前脚の接合部は、接着後に滑らかに削っていきます。
パーツの状態で仕上げをし、仮組で全体像を最終確認していきます。

接着は圧締方向が複雑なため、数回に分けて行います。
接着の段階で一箇所でも角度が変わってしまうと全体が組めなくなります。
寸法、傾き、左右対称、ひとつひとつ確認しながら手早く組んでいきます。

座面にはウォールナットと相性の良い黒の牛革を使用。
座面を取り付けると全体がグッと締まります。
今回、併せてサイドテーブルも制作しました。
こちらも同じくウォールナットを使用し、サイドに牛革を貼っています。

今回は遠方のお客様でしたので、制作途中に実際に座っていただいてサイズを確認することはできませんでした。
そのため最初の打ち合わせにおけるサンプルでの実測と作図、そして制作、それぞれの精度がマストでした。
納品時に初めて座っていただき、お客様の笑顔が見られてようやくホッとすることができました。

自分専用のロッキングチェアー。
正しくメンテナンスをしてあげれば、恐らくこれから一生涯そばにあるものになります。
キズやシミが想い出になり、世代を越えて引き継がれていく。
その始まりに立ち会えたことに、作り手としての喜びを感じます。
ありがとうございました。

※同物件の低座椅子、キッチンカウンター格子の詳細は以下ご参照ください。
ウォールナット低座椅子
ナラのキッチンカウンター格子

[制作担当 淺井]

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