アクロージュファニチャー

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オーダーメイド チケットカウンター【桜/サクラ】無垢・化粧合板

【樹種】サクラ(無垢材)、チェリー(化粧合板)
【サイズ】W1800×D700×H1160

以前に納品実績のあるコンサートホール様から、今回はチケットカウンターの作り替え依頼をいただきました。

これまで使用してきた備品類の老朽化に伴い、徐々に新しいものに入れ替えていくという事を進められています。
せっかく作り替えるなら永く使えて且つ美しくて良いものにしたいと、計画当初に当工房へお声掛けいただきました。

今回も以前使用されていたチケットカウンターを、より使いやすく、美しく作り替えます。

ご希望としては、既存品と同等サイズで樹種はサクラ材、状況に応じて誰でも移動ができる、というものでした。
このチケットカウンターは2人並べる仕様で、サイズが幅1800mm、高さが1200mm程あります。
総無垢にしてしまうとキャスターを取り付けても簡単には動かせなくなってしまいます。
しかし、合板で制作するとしても、木目やサイズなどの条件を満たすサクラの化粧合板は存在していないに等しいです。

あらゆる選択肢を検討した結果、今回は化粧合板を自力で制作することにしました。

無垢板の在庫から条件を満たす共木材を選び、木取りを決めたらできるだけ多く取れるように厚みを割いていきます。
2mm程の単板を作り、配置を決め、ハギ合わせと練り付けを繰り返していきます。
1枚の最大がL1800×W1000程になるので、パーツを作り上げるだけでも根気と体力のいる作業になってきます。

三方の板同士は留接合になっているので、綺麗に収めるには精度の高い加工技術も求められます。
接着は2人掛かりでの作業になります。

天板は無垢材ですが、その他のパーツも2mmの無垢材が表面に貼られているため、見た目の違いはほとんどありません。
化粧合板よりも無垢層が厚いので、傷つけた時に簡単に芯材が見えてくることもありません。
合板の木端面には共材の無垢挽板を貼り、芯材が見えない仕様にしています。

使われるスタッフの方が気持ちよくお客様を迎え入れられるよう、裏側内部も丁寧に抜かりなく制作しています。

左右に引き出し2杯と中央に可動棚を設け、機能的にも充実したカウンターになりました。
中天板も最大限奥行きを設け、手元を隠しながらも余裕のある作業スペースを確保しました。

中天板の手元にカリンのスリットを入れ、意匠とオリジナル性を加えました。
単色の中で良いアクセントになったと思います。
引き出しにはご希望のカギを取り付けました。

無垢と合板それぞれの長所を活かしたカウンターが完成しました。

正面は木目に無垢ならではの奥行きを感じることができます。
特徴的な木目の揺らぎも相まって、広い空間でも目を引く存在感があります。

手間は掛かりましたが、オリジナル合板を使用した事によって、「サクラ」「誰でも動かせる」というご依頼主様の希望をかたちにできたのではないでしょうか。

※同じ物件のチケットテイク他の詳細は以下ご参照ください。
チケットテイク【桜/サクラ】無垢
ポスタースタンド【桜/サクラ、ブラックウォールナット】無垢

[制作担当 淺井]

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